近年、拡張現実(AR)技術がマーケティング分野で注目を集めています。2025年には世界のAR広告収入が66億8000万ドルに達するという予測データが発表されており、2020年の13億6000万ドルから飛躍的に伸びると予想されていることが分かります。(参照1、参照2) ARの技術革新、ARデバイスの普及、AR広告の認知度の向上など、いくつかの要因によって今後、この領域がより推進されるでしょう。 今回は、今まで世界的に行われてきたAR施策の中でも、実際にマーケティング効果があったものを中心に紹介していきます。 ARコンテンツを企画・開発をする際のアイデアとして、ぜひご活用ください!事例①:ロサンゼルス・ドジャーズ×Golden Road BrewingフェイスフィルターAR%3Ciframe%20width%3D%22280%22%20height%3D%22450%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F9Lk-SrBjLzI%22%20title%3D%22Golden%20Road%20Brewing%20Celebrate%20L.A.%20Dodgers%20World%20Series%20Win%20with%20WebAR%20Filter%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3Eコンテンツ: ロサンゼルス・ドジャース、Golden Road Brewing業界: スポーツ、飲料販売ARの種類: WebAR | フェイスエフェクトAR(顔認識) 米国のプロ野球チーム ロサンゼルス・ドジャースと、クラフトビールを主に販売するGolden Road Brewing がワールドシリーズ優勝を記念して、WebARフェイスエフェクトキャンペーンを実施した例です。 紹介動画では、新聞広告のQRコードからWebブラウザにアクセスし、フェイスフィルターARを体験する様子が映し出されています。コラボパッケージドリンクの3Dモデルやロサンゼルス・ドジャースの帽子が口元や頭上に現れ、野球ボールやドリンクの缶がエフェクトとして舞い、とても賑やかな印象のARとなっています。 右上のボタンをタップしてリベートクーポンを利用すると、カスタムマップが起動し、「Dodgers Blonde Ale」を購入できる最寄りの実店舗が表示される動線も用意されており、AR体験が商品の購入を促進していることが分かります。結果 このAR体験は、ユーザー全体平均で1分28秒の滞在、クーポンのクリック率は18%を示し、マーケティング活動として成功を収めています。(参照)事例②:パワーレンジャーフェイスフィルターAR画像:Power Rangers AR ads spurred 2.5x higher-than-average CTRコンテンツ: Power Rangers(パワーレンジャー)業界: エンターテインメントARの種類: WebAR | フェイスフィルター(顔認識) 「Power Rangers(パワーレンジャー)」という米国で放送されているスーパー戦隊のテレビシリーズの25周年を企画したAR広告キャンペーンです。 モバイル広告からこのARを体験することができ、スマートフォンのカメラを通して、自分の好きなキャラクターのヘルメットをバーチャル上で試着することができました。結果 広告のクリック率(CTR)は2.1%と、業界のベンチマークである0.08%より2.5倍高い値を示しています。(参照) また、平均的なターゲットユーザーは26~42歳と、番組の主要ターゲット層以外の顧客を獲得できています。ユーザーはこの体験で少なくとも2つのヘルメットを試着し、85%が少なくとも1枚の写真を撮影していたとの結果も出ています。(参照)事例③:ASUS商品紹介AR%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fplugins%2Fvideo.php%3Fheight%3D476%26amp%3Bhref%3Dhttps%253A%252F%252Fwww.facebook.com%252Fmessenger%252Fvideos%252F1924717127647958%252F%26amp%3Bshow_text%3Dfalse%26amp%3Bwidth%3D380%26amp%3Bt%3D0%22%20width%3D%22280%22%20height%3D%22350%22%20style%3D%22border%3Anone%3Boverflow%3Ahidden%22%20scrolling%3D%22no%22%20frameborder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22true%22%20allow%3D%22autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%3E%3C%2Fiframe%3Eコンテンツ: ASUS | ZenFone 5業界: 電気機器ARの種類: アプリAR(Messenger) | 平面認識 PCやスマートフォンなどを主に販売するASUS社の、ARプロモーション事例です。Messenger(Meta社)内の広告からARを体験することができ、下部にある各端末のボタンを押すと、AR上にその端末が表示されます。 ユーザーはよりリアルに近い状態で商品を観察することができ、購入を後押しするきっかけとなるでしょう。結果この体験では、通常の10倍のエンゲージメントが得られたと示されています。(参照)事例④:メイベリン ニューヨークメイクアップAR%3Cblockquote%20class%3D%22tiktok-embed%22%20cite%3D%22https%3A%2F%2Fwww.tiktok.com%2F%40maybelline_de%2Fvideo%2F6929842697159200005%22%20data-video-id%3D%226929842697159200005%22%20style%3D%22max-width%3A%20605px%3Bmin-width%3A%20325px%3B%22%3E%20%3Csection%3E%20%3Ca%20target%3D%22_blank%22%20title%3D%22%40maybelline_de%22%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.tiktok.com%2F%40maybelline_de%3Frefer%3Dembed%22%3E%40maybelline_de%3C%2Fa%3E%20Werde%20auch%20du%20Teil%20der%20%3Ca%20title%3D%22liftmymood%22%20target%3D%22_blank%22%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.tiktok.com%2Ftag%2Fliftmymood%3Frefer%3Dembed%22%3E%23LiftMyMood%3C%2Fa%3E%20%3Ca%20target%3D%22_blank%22%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.tiktok.com%2Fmusic%2FLifter-Gloss-gonna-Lift-My-Mood-6922685028523345922%3Frefer%3Dembed%22%3E%3C%2Fa%3E%20%3C%2Fsection%3E%3C%2Fblockquote%3E%20%3Cscript%20async%3D%22%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.tiktok.com%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3Eコンテンツ: メイベリン ニューヨーク(Maybelline New York) | リフターグロス業界: 化粧品ARの種類: アプリAR(TikTok) | フェイスフィルター(顔認識) マスカラやファンデーション、リップなどの化粧品を販売するメイベリン ニューヨーク社が、TikTok(ByteDance社)上で行ったメイクアップフィルターARのキャンペーンです。 TikTokアプリ内のフェイスフィルターAR機能で、リフターグロスの試着ARを体験することができ、投稿に#LiftMyMoodというハッシュタグをつけるとキャンペーンに参加することができました。 このフェイスフィルターでユーザーは3色のリフターグロスを試すことができ、口角を上げるだけで交互に変化させることができるインタラクティブなARコンテンツです。 #LiftMyMoodキャンペーンでは、特定の曲を題材にし、憂鬱な日でもリップを塗れば気分が上がるという、メイクアップによるユーザー体験が分かりやすく表現されています。そこにインタラクティブなAR体験が追加されることでより新鮮味のある、印象的なコンテンツになっています。結果 総インプレッション数は30億を超え、UGCも豊富に生成されています。(参照)事例⑤:Rollie Nation×Shopify商品体験AR画像:https://www.modelry.ai/blog/rollie-nation#UsingQRcodestoinformandcompelB2Bcustomersコンテンツ: Rollie Nation | 靴業界: 衣料品販売ARの種類: WebAR(Shopify AR) | 平面認識 ブーツやスニーカーなどの靴製品を主に販売するRollie Nationが、eコマースにAR体験を取り入れた事例です。 靴の良さは、実店舗で実際に見て、手に取ったり、実際に履いてみたりして初めて分かるものですが、オンラインショップではそのようなリアルな体験ができません。この課題を解決するために取り入れられたのが、ARです。 この体験でユーザーは、3Dビジュアライゼーションで靴を拡大縮小、回転して360度から観察したり、ARとして現実空間に表示させることができました。それまでのオンラインショッピングではできなかった、実店舗に居るかのような体験をARで叶えたのです。結果 商品ページの滞在時間が28.45%増加し、前四半期の受注総額が前年同期比で26%増加、前年度比39%増の月間コンバージョンレートなど、大きな成功を収めまています。(参考)事例⑥:Saatchi Art壁掛けAR動画:https://www.8thwall.com/customer-work/saatchi-art-integrates-largest-deployment-of-webar-ecommerceコンテンツ: Saatchi Art | 絵画業界: アートARの種類: WebAR | 平面認識 美術品を販売するSaatchi Artが、100万点以上の作品を自宅の壁で鑑賞できるAR、「View in a Room」を提供した事例です。 ユーザーは、SaatchiArt.coで気になる作品を選ぶと、「View in a Room」からARコンテンツへ遷移し、部屋の壁にまるで実際に絵画が掛けられているような体験をすることができます。 アートバイヤーの内70%が、事前に作品を見ることができないために購入をためらっていることがSaatchi Artの調査により分かり、このAR体験はそのような課題を解決するために開発されました。 アプリ不要で体験できるeコマースのWebAR事例で100万点の作品を鑑賞できることは、これまでで最大規模のものだそうです。結果 「View in a Room」により、アートバイヤーのオンラインでの購入意思決定を支援し17%の支出増、購入率4倍を達成しています。(参考)まとめこれらの事例から、AR(拡張現実)は顧客体験の向上ブランドの認知度の上昇広告効果の最大化に効果的な手段であることがお分かりいただけたかと思います。 各業界の企業がARキャンペーンを通じて成功を収めており、それぞれがユーザーのエンゲージメント向上、高いクリック率、新たな顧客獲得などの成果を達成しています。 冒頭でもお伝えした通り、ARの技術革新、ARデバイスの普及、AR広告の認知度の向上などにより、今後ますますARをマーケティングに活用した事例が増えてくることでしょう。 palanAR studioでは、2017年からXR分野で各業界のマーケティングに適した開発を行ってきました。 これまで180社以上のARを開発してきたプロのチームによる、AR・WebAR・アプリAR・グラスARの制作・開発を専門に行っています。これまでの知識や経験を活かした、スピード感のある開発が可能です。■ ARを活用した企画をしたい■ ARの開発企業を探している■ 各業界ごとのAR事例を知りたい■ 開発にかかる費用やフローが気になるという企業担当の方は、こちらまでお問い合せください。